久米田池断層の活動変位をより正確に求めるために、以下の点に留意した。
・ 平成8年度に実施した反射法地震探査の測線上であること。
・ 断層(撓曲)の直近部であり、地層が水平に堆積している部分であること。
撓曲帯の下盤側はCMP100付近の和泉市和気町旧下水処理場跡(ボーリングNo.1孔:北緯34°28′30.41″,東経135°26′3.74″,孔口標高21m)、上盤側はCMP450m付近の(株)カンダン敷地内(ボーリングNo.2孔:北緯34°28′13.04″,東経135°21′31.7″,孔口標高37m)である。2地点間の距離は約900mである。
ボーリング方法は、ロータリー式ボーリングマシーンによるオールコアボーリング(コアチューブ外径=66mm)とした。コアの採取率はほぼ100%である。
ボーリングの掘進長は、2本のボーリング間で対比ができる火山灰を捉えるため、この地域で広範囲に分布し、多少の削剥があっても火山灰層として地層中に残留するくらいの層厚を持つアズキ火山灰を目標とした。アズキ火山灰は全国でその分布が確認されており、それを捉えることは今後の調査・研究のためにも重要な情報となる。
なお、アズキ火山灰(海生粘土Ma3中に挟在)を捉えるためには、OKS1ボーリング結果を参考にしても、100mを超える掘削を行わなければならないことが予想された。また、既存文献や現地調査より表層に槇尾川による粗粒堆積物(礫層)が分布すると考えられたNo.1孔については0〜30mまでの粗粒層を素掘りで掘削した。これらの調査方針は、第1回大阪府地域活断層調査委員会において決定されたものである。