１−３−２ 周辺の地質
大阪周辺の山地のうち、北側の北摂山地は丹波帯中・古生層から構成される。東側の生駒山地は領家花崗岩類、南部の和泉山脈・金剛山地は北側が領家花崗岩類（主に白亜紀）で南側に泉南流紋岩類（白亜紀）・和泉層群（白亜紀）が分布する。これらの基盤岩は、大阪平野においては地表から６００ｍ〜１５００ｍ下に分布する。周辺の山麓部には、有馬−高槻構造線、生駒断層系など活断層が存在し、低地部との間に明瞭な境界をなしている。 平野部の地下には大阪層群と呼ばれる鮮新・更新世（約５００万年前〜２０万年前）の堆積層が厚く分布しており、周辺の丘陵部にはこの大阪層群が地表に露出している。これらの丘陵部は第四紀後半に発生した六甲変動最盛期にそれまで沈降域であった部分が隆起域に転じた部分である。そのため、丘陵の基部に存在する断層の変位によって、その付近の大阪層群が部分的に急傾斜を示す構造（撓曲構造）がみられる。丘陵部に露出している大阪層群は、平野の地下へと連続して分布している（図１−４）。低地部中央にある上町台地の西側では、地層は大きく食い違っており、この部分が上町断層と呼ばれている。近年の研究により、この上町断層帯は北部の千里丘陵に見られる佛念寺山断層、南部の泉北丘陵中を斜断する坂本断層に連続すると考えられている。大阪層群の下半部は砂礫主体の淡水成の粘土・シルト・砂・礫の互層であり、上半部は海成粘土層と淡水成の砂礫層との互層となっている。海成粘土層は下部より、Ｍａ−１、Ｍａ０、Ｍａ１〜Ｍａ１３のように番号付けがなされ、合計１５層に細分されている。特にそれらの中に挟まれる海成粘土層・火山灰層は層序や時代・連続性などを決定する上での重要な鍵層として利用され、これらの海成粘土層と火山灰層を鍵層として、大阪盆地周辺地域の地質が明らかにされている（表１−１）。
調査地およびその周辺は建設省国土地理院発行の都市圏活断層図（１９９６）によると、低位段丘層あるいは、槇尾川による河川成の沖積層が分布すると図示されている。