以下に各ボーリングコア地質観察結果を記載する。
地層区分は層相と既往文献および挟在する火山灰層を考慮し、行った。下部から上部へ順に「A層」、「D〜B層」、「E層」、「F層」、「G層」とした。
なお、各ボーリングの地層観察結果は一覧表(表3−2、表3−3、表3−4、表3−5)に示す。また巻末に詳細な地質記載を盛り込んだ柱状図とコア写真を載せている。
1)No.0ボーリングの地層区分と層相
@ G層 (深度0.00m〜1.40m)
G層は、耕作土である。ここでは主として、淡灰〜暗褐色を呈する礫混じり砂質シルト層よりなる。この層に含まれる礫は、径10mm〜80mmの亜円〜亜角礫からなり、礫種はチャートが多く、ついで花崗岩類が多い。深度0.00m〜0.30m間は、淡灰〜暗褐色を呈する草根の混入したシルト層である。深度0.30m〜1.40m間は、暗褐色を呈する礫混じり砂質シルト層である。深度0.75m付近に土器片が混入する。また、深度1.00m付近に厚さ10mm程度のシルト層が挟在している。
A F層 (深度1.40m〜3.30m)
F層は、沖積層に相当する層である。ここでは主として、灰白〜褐色を呈する礫混じり砂礫層よりなる。この層に含まれる礫は、径5mm〜50mm程度の亜円礫からなり、礫種はチャート・砂岩・泥岩・花崗岩類である。深度1.40m〜1.50m間は、径50mmの花崗岩礫が混入している。
B E層 (深度3.30m〜3.90m)
E層は大阪層群に相当する層である。ここでは主として、赤褐〜青灰色を呈するやや締まった粘土層よりなる。深度3.30m〜3.90m間は、粘土層中に長径10mm程度の炭化物が混入している。
C D層〜B層 (深度3.90m〜8.90m)
D〜B層は、大阪層群に相当する層である。ここでは主として、明青灰〜淡褐色を呈するシルトとシルト混じり砂の互層よりなる。深度3.90m〜4.40m間は、青灰色を呈するシルト層よりなる。深度4.40m〜4.55m間は、粗粒砂層よりなり、この層の層理は30°傾斜している。深度5.50m〜5.60m間は、砂層が挟在し、この層の層理面は30°に傾斜している。深度6.40m〜6.65m間は、褐色〜黄褐色を呈する多孔質の細粒砂層よりなる。
D層〜B層では、ボーリングNo.1孔及びNo.2孔で確認されたC層に相当する火山灰層(平成8年度調査結果による)は見られない。
D A層 (深度8.90m〜11.00m)
A層は、大阪層群に相当する層である。この層は暗灰色を呈する粘土層よりなる。深度10.00m〜10.30m間の粘土層に挟在するシルトは25゜傾斜している。
2)No.3ボーリングの地層区分と層相
@G層 (深度0.00m〜1.30m)
G層は、耕作土である。ここでは主として、黄褐〜暗褐色を呈する砂混じりシルトと、礫混じりシルト層よりなる。この層に含まれる礫は、径5mm〜50mm程度の亜円礫よりなり、礫種はチャート・砂岩・花崗岩類である。深度0.00m〜0.80m間は、褐色を呈する草根が混入する粗粒砂混じり細粒砂層よりなる。深度0.80m〜1.30m間は、褐色を呈する礫混じりシルト層である。
AF層 (深度1.30m〜4.53m)
F層は、沖積層に相当する層である。ここでは主として、褐色を呈する砂礫層よりなる。この層に含まれる礫は、径5mm〜70mmの亜円礫よりなり、礫種はチャート・砂岩・デイサイト・花崗岩類である。深度1.30m付近に、コア長90mmの花崗岩礫が混入している。深度3.20m付近に、コア長160mmのデイサイト礫が混入している。
BE層 (深度4.53m〜26.00m)
E層は、大阪層群に相当する層である。ここでは主として、青褐〜黄褐色を呈する粘土層よりなる。この層では粘土層の層理面が20〜30°で傾斜している。深度12.00m〜14.60m間は、粘土層に長径10mm程度の炭化物が混入している。深度18.15m〜20.90m間は、細粒〜粗粒砂混じり粘土層よりなる。
深度21.00m〜23.50m間は、粘土層に葉理が発達している。深度24.88m〜25.95m間は、粘土層に長径10mm程度の炭化物が混入している。
CD層〜B層 (深度26.00m〜31.55m)
D層〜B層は、大阪層群に相当する層である。ここでは主として、明青灰〜淡褐色を呈するシルトと粗〜中粒砂の互層よりなる。この層では、層理面が22〜38°傾斜している。深度26.00m〜26.90m間は、シルト層に葉理が発達している。深度26.95m〜27.05m間は、粗粒〜中粒砂層の層理面が22°傾斜している。深度27.06m〜27.13m間は、細粒砂層が2層狭在し、その厚さは両層ともに10mm程度である。深度28.20m〜28.30m間は、シルト層に長径20mm程度の木片が混入する。深度28.50m〜28.60m間は、黒褐色を呈する厚さ数mmのシルト層の葉理面が52°傾斜している。深度30.15m〜30.30m間は、粗粒〜中粒砂層の層理面が25°傾斜している。D層〜B層では、ボーリングNo.1孔とNo.2孔で確認されたC層に相当する火山灰層(平成8年度調査結果による)は確認できなかった。
DA層 (深度31.55m〜32.00m)
A層は、大阪層群に相当する層である。ここでは主として、青灰色を呈する海成粘土層よりなる。この層には10mm程度の炭化物が混入している。