地表踏査では、宅地造成に伴い自然地形が消滅しており、地形面や露頭を現地で確認することは難しい。そのため地図を用いた地形断面を作成し崖地形の確認を行なった。坂本断層のリニアメントはその中でも比較的明瞭であり、北東南西に延びる崖地形が確認できた。さらに、この南西側の久米田池東縁をNNE走向で延びるリニアメントが存在することが確認された。これは、国土地理院発行の都市圏活断層図「岸和田」(1996)にも明記されている。
坂本断層は、北部では、丘陵部から平野部にかけて数本の断層に分れている。これは、信太山付近まで続く。これより南側では、断層は丘陵部と平野部の境界部分の1本のみになり、ほぼ南北に走向を変えて連続する。そして、槙尾川付近でリニアメントは不鮮明になる。一方、久米田池断層はこの槙尾川より南側から始まり、NNE走向で久米田池の東側を通過し、久米田池より約1.5km南の福田町付近でおわる。久米田池断層のリニアメントを空中写真で判読すると、特に久米田池南部の岡山町付近で明瞭な段差が認められる。しかしながら、近年ではその付近が宅地造成され、自然な断層崖が著しく損なわれている。