地層区分は岩相・既往文献を考慮し行った。下部から「A層」・「B層」・・、とした。
なお、各ボーリングの観察結果は一覧表(図5−5、図5−6)に示す。
(1)No.1ボーリング
(a)0.00〜0.87m・・・・・・・G層
黒褐〜褐色を示す礫混じりシルト層である。
上部0.25mは旧耕作土である。一部に径25mmの礫が混入する。
(b)0.87〜3.24m・・・・・・・F層
暗褐色を示す径2〜140mm(平均15mm)の亜円礫主体の砂礫層である。
礫種はチャート・砂岩・花崗岩類・安山岩などからなり、1.5m付近にコア長140mmの砂岩礫が混入している。
2.55m以深は礫率が高く数10mm大の亜円礫が多数混入している。
最下部は褐色を呈する礫混じり砂層である。
既存の地質図等によれば、この砂礫層は低位段丘を構成する礫層であり、段丘面は府中面と呼ばれている。
(c)3.24〜8.70m・・・・・・・E層
緑灰からオリーブ灰色を示す粘土層である。
4.14mまでは径数mm程度の礫が混入している。6m付近に傾斜25゚の層理面が見られる。
本層は大阪層群の海成粘土と考えられる。
(d)8.70〜11.9m・・・・・・・D層
緑灰からオリーブ灰を示すシルトおよびシルト混じり砂層の互層である。層境界で20〜30゚の傾斜が見られる。
(e)11.9〜12.0m・・・・・・・C層
明赤灰色の砂質火山灰である。
(2)No.2ボーリング
(a)0.00〜1.65m・・・・・・・G層
本層は0.30mで2層に分けられ、0.30mまでは黒褐色砂質シルトの現耕作土層である。
0.30〜1.65mは礫混じりシルト質砂層であり、上部は黒褐〜灰褐色を示し腐植質である。亜角礫が混入している。1.0〜1.2m付近は礫が多く暗オリーブ色を示し、最大で径40mmの砂岩亜円礫が混入している。その他、礫が少ない部分は黄褐〜にぶい黄灰色を示す。
(b)1.65〜2.25m・・・・・・・F層
本層は2.2mで2層に分けられ、2.2mまでは径10mm程度の亜円礫主体の黄褐色砂礫層である。基質は粗砂である。礫種はチャート・砂岩などで、下部には礫岩が見られる。
2.20m以深の最下部は砂層である。。
No.1のF層に比べ層厚は薄いが、この礫層も低位段丘礫層と推定される。
(c)2.25〜20.47m・・・・・・E層
緑灰からオリーブ灰色を示す粘土層である。
一部シルト質な部分も見られる。最上部の粘土は2.45mまで黄褐色を呈し、礫および植物遺体が混入している。植物遺体およびシルトの薄層を数枚挟んでおり、30〜70゚の傾斜を持つ。
本層は大阪層群の海成粘土と考えられる。
(d)20.47〜24.10m・・・・・D層
緑灰〜暗緑灰、灰色を示す、砂・シルト・シルト質砂の互層である。地層境界の傾斜は13〜20゚程度である。
一部凝灰質なシルトが見られ、全体的に上方細粒化が認められる。
(e)24.10〜24.20m・・・・・C層
明褐灰〜灰褐色を示す火山灰層である。粒径はシルトから細砂で、上方細粒化が認められる。下部層との境界に30゚の傾斜がある。
(f)24.20〜26.85m・・・・・B層
D層と同様に、砂・シルト・シルト質砂の互層である。青灰、緑灰、黄褐などの色を示す。シルトおよび砂の薄層は20〜50゚の傾斜を示す。
(g)26.85〜28.00m・・・・・A層
緑灰色を示す有機質な粘土層であり、上部層のと境界は30゚の傾斜を持つ。