4−7−2 地質構造

ボーリング調査および露頭観察から得られた、地質構造に関する資料は次の通りである。

・No.2地点GL−29.5mとNo.3地点GL−8.5mの火山灰層(八町池)が対比できる。これによればNo.2−No.3間での地層の平均傾斜は約15°程度となる。これは両ボーリングコア堆積物中に顕著な急傾斜構造が認められないことと矛盾しない。

・No.4地点のボーリングコア堆積物中の構造は60〜90°で急傾斜している。

・No.5地点のボーリングコア堆積物中の構造はほぼ水平である。

断層近傍の露頭観察によればMa5およびMa6層を含む地層(断層下盤側)は60°程度で急傾斜している。

これらの情報から、次のことが類推できる。

・断層下盤側の地層は、No.3地点より東方で60°以上に急傾斜してくる。

・断層はNo.4地点の直近にある。

・断層上盤側の地質構造は、No.4地点より東側で急速に緩傾斜となる。

以上の資料を基に作成した地質断面図を図4−7に示す。

層間落差は図4−3の柱状図を参考にすれば140〜170m程度となる。また、断層を挟む急傾斜帯(概ね60°以上の傾斜帯)の幅は数十m程度であると推定される。このことから、No.3とNo.4の間で地層は大きく食い違う、あるいは直立して連続する、と考えられる。したがって、この間に断層あるいは撓曲が存在すると考えられる。