NMO補正とは、オフセットの違いによる走時のずれをゼロオフセットの記録に補正するものである。通常直線の波線を仮定した下記の方法で行う。
地下構造が水平2層でオフセットがXのとき、第1層下端から反射して受震点に到達する波の走時は、
t**2=tO**2+X**2/V**2
となる。ここで、
V;波の伝播速度
X;震源点と受信点の距離
t0=2Z/V t0;ゼロオフセットの走時
<NMO補正における波線の考え方>
多層構造の地層の場合も、オフセットXに比べ反射面深度が十分に大きければ、
Tn(X)**2=Tn(O)**2+X**2/VR**2
と近似できる。ここでVRはRMS速度と呼ばれるもので
VR**2=Σvi**2Δti/Tn(0)
ここで Vi ;第i層の速度
Δti;第i層の鉛直往復走時
と定義される。
A速度解析
速度解析で得られる速度値は重合速度と呼ばれ、地層がほぼ水平の場合には近似的にRMS速度に等しいと見なされている。速度解析は次の手順で行った。
A.推定される重合速度の範囲のなかで、120種の速度を等分に仮定する。
B.各速度でNMO補正を行い、オフセットによらず反射波が同じ時刻に並ぶ速度と時間を求める。
C.図から直接速度を読み取ることもできるが、労力および精度に問題があるため、CMPアンサンブルのデ−タを定速度でNMO補正した後に、
イ. 狭い時間ゲ−ト内でのトレ−ス間の相関(センブランス)を求める(速度スペクトル法)
ロ. 全てのトレ−スを加算して1本のトレ−スとする(C.V.S.法、constant velocity scan)などの方法で整理する。
D.実際には全デ−タを用いた場合には、イ.,ロ.の方法でもCMPの数だけ図が得られるため、読み取りを自動的に行い、これを整理して重合速度を決定する。
図3−16−1〜35に、上記の方法で求めた速度解析結果を示す。図中○印は上記のイ.で求めた結果、また×印は ロ.で求めた結果である。印の大きさはセンブランスあるいはパワ−の大きさを示している。
図3−16−1、図3−16−2、図3−16−3、図3−16−4、図3−16−5、図3−16−6、
図3−16−7、図3−16−8、図3−16−9、図3−16−10、図3−16−11、図3−16−12、
図3−16−13、図3−16−14、図3−16−15、図3−16−16、図3−16−17、図3−16−18、
図3−16−19、図3−16−20、図3−16−21、図3−16−22、図3−16−23、図3−16−24、