波形処理のうち最も重要な処理は、パルスの短縮、短い周期の多重反射の除去、スペクトルの平滑化、等を目的に実施するデコンボリュ−ションである。この処理を良好にするため、次の前処理を実施した。
・プレフィルタリング…再帰型のフィルタ−を用い、位相特性は次の位相補償でてミニマムフェ−ズに直した。
・位相補償…デコンボリュ−ションが有効に働くためには、トレ−スがミニマムフェ−ズ特性であることが条件の一つである。測定系でもっともこの条件を満たさないものは、探鉱機のフィルタ−の位相特性である。これをミニマム位相特性に戻すフィルタ−を設計し、補償を行った。
・振幅補償…次の2段階に分けて実施した。
A.全トレースよりオフセット距離(震源−受震器間距離)別に振幅の時間減衰特性を統計的に求め、この特性の逆数で振幅補償を行った。
B.次に各トレース別に、所望のゲ−ト幅で平均振幅の時間変化を求め、振幅補償を行った(AAC)。
Aデコンボリュ−ション
自己相関演算のゲ−ト長1000msec、フィルタ−長100msec、ホワイトノイズ3%、予測長3msec〜7msec のタイム・バリアント型プレディクティブ・デコンボリュ−ションを用いた。デコンボリュ−ションテストを図3−14、図3−15に示す。