地面に圧着したベースプレートを、ガス圧で加速したピストンで打撃する、一種の重錐落下震源を車載したもので(株)地球科学総合研究所が開発した。起震力は、最大で100kgの重錐を高さ6mから落下させた場合に相当する。
発生する波はパルスであるが、比較的高い周波数までの広帯域の波を発生できる。このため、浅層の解析が可能である。また、舗装道路上でも使用可能であり、自走できるので移動が容易である。
図3−11に油圧インパクターの外形図を示す。
A探鉱機:BISON 9060A
IFP(フローティングポイントでAD変換をする)機能をもつ探鉱機で最大60chの収録が可能。記録の加算はメモリー上で行い、記録はハードディスク上に書き込まれる。機器の諸元は以下の通りである。
・チャンネル数 :最大60チャンネル
・収録データ長 :最大24000データ(60ch収録時)
・サンプリング間隔:0.05〜4.0msecまで10段階
・データ書式 :SEG2 FORMAT
・周波数特性 :4〜4000Hz
・ビット数 :16bit
・分解能 :80db
・フィルター :ハイカット 60〜4000Hzまで9段階
:ローカット 4〜1024Hzまで4Hzステップ
・ゲインコントロール:0〜60dbまで20dbステップ
B地震計:SENSOR SM−11
・固有周波数 :30Hz
・グルーピング :6個/グループ
Cその他の機材
・ロータロング:RLS240(I/O社)
最大入力チャンネル240ch、最大出力チャンネル144chをもつ。
・本線ケーブル:Mark Products
・中継ケーブル:Mark Products
・無線機 :日本無線(5Wおよび1W)
表3−1 デ−タ処理手順および処理諸元一覧表
@初期編集: 不良デ−タの除去、CMP編集
A初期処理:イ.プレ・バンドパス・フィルターリング 18〜125Hz
ロ.位相特性補償
探鉱機の位相特性を補償するフィルタ−処理を実施。
B振幅補償:イ.原記録より統計的に求めた振幅特性カーブを用いた補償
ロ.各トレ−ス別にゲート幅200msecで自動振幅補償(AAC)
Cデコンボリュ−ション :
・タイプ … タイムバリアント・プレディクティブ・デコン
・自己相関を算出するゲ−ト長 … 1000msec
・フィルタ−・オペレ−タ−長 … 100msec
・ホワイトニング・ノイズ … 3 %
・予測長 … 3msec 〜 7msec
D振幅補償:イ.原記録より統計的に求めた振幅特性カーブを用いた補償
ロ.各トレ−ス別にゲート幅200msecで自動振幅補償(AAC)
E表層静補正:観測記録の初動を読み取り、このデ−タをもとに屈折波トモグラフィー手法を用いて、静補正値を算出。
F標高静補正 :CMP内の平均標高と各トレ−スの震源・受震点標高との差を1650m/secの表層速度を仮定して静補正。
G速度解析 : CVS法、およびセンブランスを用いた速度スペクトル法を併用して実施。
H残留静補正 : 最大補正量を6msecに制限した自動残留静補正。
INMO補正・ミュ−ト
J重 合
Kタイムバリアント・フィルター :
0〜300msec : 25 −120Hz
300〜600msec : 20 − 90Hz
600msec 〜 : 18 − 70Hz
Lマイグレ−ション:FK法に基づく波動場補外法(下方接続)による。
M深度変換
N標高静補正 : 基準標高と各CMPの平均標高との差を1650m/secの表層速度を仮定して静補正。