1−2−1 目的

本調査では、約40kmに及ぶとされる上町断層系の北部の仏念寺山断層と南部の坂本断層の平均変位速度と活動履歴の調査を行い、両断層の活動性に関しての検討を行うものである(図1−1)。

北部の豊中市調査地区については(以下、北部調査域)、断層通過想定位置が住宅密集地域にあたり、調査手法の制約を受けざるを得ない状況である。調査範囲内では数少ない沖積層分布地域である天竺川河床において、オールコアボーリングによるコア観察から、断層変位に伴う沖積層の変形をはじめとした詳細観察を行い、活動の解明を行う。

南部の和泉市調査地区については(以下、南部調査域)、坂本断層本体と都市圏活断層図(国土地理院)で指摘された久米田池方向に延びる撓曲構造を反射法地震探査によって検討し、また、坂本断層でのボーリング調査ならびにトレンチ発掘調査を行い、この地区での過去からの断層活動を明らかにする。