上町断層は、新編「日本の活断層」(東京大学出版会)によると、第四紀(約200万年前〜現在)以降に活動したとみなされる活断層と位置づけられており、確実度T、活動度B、断層の長さは6.5kmと記載されている。
阪神・淡路大震災以降の通産省工業技術院地質調査所・科学技術庁・建設省国土地理院および各大学の研究者による活断層調査により、従来の上町断層は、北部の仏念寺山断層(確実度T、活動度B、長さ11km)と南部の坂本断層(確実度T、活動度C、長さ3.5km)付近に及ぶ約40kmを一連の上町断層系とすることが検討されている。
約40kmにもおよぶ上町断層系は、大阪の中心部や人口密集地域の直下を通過する見込みではあるが、いまだに断層の正確な通過位置や活動履歴については解明されていないのが実情である。
今後の地震被害を念頭に置いた防災対策策定の上においても、また、上町断層系の構造解明のためにも、個々の断層の情報を把握する必要がある。