バイブレ−タ−の動作原理を図2−4−1,外観を図2−4−2に示す.
起震を行う場合には,まず車体中央のプレ−トを地面に下ろし,これに車重の大部分(約13トン)をかけて地面に圧着する.この際,車体とプレ−トの間にはエア・ダンパ−を 挟んでいるため,鉛直な上載圧は加わるが震動は遮断される.
次に,プレ−ト上のアクチュエイタ−でカウンタ−マス(3トン)を上下に揺すると,その 反力がプレ−トを介して地面に伝わり地盤を震動させる.以下にバイブレ−タ−の諸元を示す.
・起震可能周波数範囲 4〜250Hz
・全 長 8.16m
・全 幅 2.46m
・全 高 3.4m
・重 量 17ton
<バイブレ−タ−を用いた探査(バイブロサイス)の原理>
a. バイブレ−タ−で低い周波数から高い周波数まで徐々に周波数が遷移(スウィ−プ)する波形で起震する(図2−4−3、@).なお発生する波の振幅は,速度振幅が一定となるように再帰的に制御する.
b. 反射波は図2−4−3、B〜Dに示すように,ダイナマイトなどのパルス震源と異なり,震源波形(@)の初動時刻・振幅・位相をずらした波形となる.したがって観測波形は図2−4−3、Aに示す様に,これらを重ね合わせた複雑な波形となる.
c. 観測終了後,震源波形(@)と観測波形(A)の相互相関関数を計算する.この結果は図2−4−3、Eに示すように,ダイナマイトなどのパルス震源と等価な記録となる.
<バイブロサイスの特徴>
a. 起震エネルギ−が大きく,深度3000m以上の探査が可能である.
b. 低い出力のエネルギ−を継続して出す震源機構のため,環境への影響が少ない.
c. 起震周波数範囲を選択できるため,所望の周波数帯域の観測が可能である.
d. 可搬性に優れており,作業効率が高い.だだし,やや車両のサイズが大きい
(L=8.16m,W=2.45m)ため,進入できる道路が限られるのが問題である.
A テレメトリ−型探鉱機(G・DAPS−3;地球科学総合研究所開発)
地震計からのアナログ入力デ−タをA/D変換し,デジタルMTに出力する装置である.この装置の特徴として,IFP機能(フロ−ティングポイントでA/D変換する)を持つこと, テレメトリー探鉱機であること(リモートユニット内で前置増幅,フィルタ等の処理を 行い,A/D変換された後のデジタルデータをケーブルを通じてレコーディングユニットへ送るタイプの探鉱機),内部でコリレーションをとれることが挙げられる.主な諸元を以下に示す.
・チャンネル数 最大 8192ch/16ライン
516ch/ライン
・サンプリング間隔 8192ch 0.5−4msec
4096ch 0.25msec
2048ch 0.125msec
・ノイズエディット付き分散スタッカー(オプション)
・テ−プ出力書式 segy or segd format
6250/1600 bpi レコ−ディング
・ファイバオプティック/ツイストペア併用
・RSUパラメーターのリモートコントロール
・タッチディスプレーによる容易なオペレーション
・リモートシステムテスト機能
ジオフォン,ラインテスト
パワー,RSU内温度測定
RSUアナログ適正テスト
・ライン展開,テスト結果のカラーグラッフィック表示
・データ解析及びQC用データ処理
B 受震器(SM−7;SENSOR I/O)
受震器は,固有周波数10Hz,9個グループ/セットの速度型地震計を用いた.
C その他の主な機材
・スウィ−プ・ジェネレ−タ− 〜 ADVANCE II (PELTON)
・遠隔爆破装置 〜 SSS−202 ENC.,DEC. (I/O)
・無線機 〜 10W VHF (日本無線),1W VHF (日本無線)