(6)G3層

@ 分布・構造

本層は西町Aトレンチおよび同A'トレンチにわたって分布し、G2層を覆って堆積している。また、本層のなかに本層上位のM2層が楔状に入り込んだところが次の各所でみられ、本層とM2層とは指交関係にあるものとみられる。

 ・西町A'トレンチ東面N13付近

 ・西町A'トレンチ西面S3付近

 ・西町A'トレンチ西面S8付近

 ・西町A'トレンチ西面S11付近

本層と活断層との関係について、西町A'トレンチの東西両面で異なった現象がみられる。東面でみる限り、本層はG2層中の礫の再配列ゾーンの直上付近において、砂レンズが連続し、礫の再配列もみられないことから、変位・変形していないようにみられる。しかし、西面において、G2層中の礫の再配列ゾーン直上付近に位置する本層底面に0.5m程度の段差が生じているようにみえる。さらに、その段差付近にある礫は高角度に再配列しているようにみえる。したがって、本層は東面において活断層を覆い、西面において活断層に切られているといえる。

 また、本層の層厚について活断層との関わりでみると、活断層の分布位置付近を境にして南北でやや差があり、北側では1〜1.5m厚程度、南側では0.5〜1m厚程度と北側でやや厚い傾向がある。なお、詳細は後述するが、本層中には粘性土のレンズが頻繁に挟在している。粘性土レンズは次に述べるような特徴ある分布・構造をなしている。

イ. 粘性土レンズは西町A'トレンチ東面N9付近より北側に、同西面S9付近より北側に分布している。

ロ. 粘性土レンズは次の各所でみられるように、砂のレンズを伴って分布している場合が多い。

 ・西町A'トレンチ東面N13付近

 ・西町A'トレンチ西面S8付近

 ・西町A'トレンチ西面S10〜S11付近

 ・西町A'トレンチ西面S13付近

ハ. 西町A'トレンチ西面S10〜S11付近にみられるように、粘性土レンズ

には砂・小礫から構成される細脈あるいは楔が入り込んでいる。そして、この細脈・楔はレンズ周囲にあるG3層につながっている。

ニ. 西町A'トレンチ西面S10付近にてみられたが、粘性土レンズの内部構造(細砂・有機質シルト・シルトの互層構造)が高角度になっている。

ホ. 西町A'トレンチ西面S13付近にみられるように、上下に配置している粘性土レンズが同質の粘性土細脈を介してつながっている。

A 土 質

本層はマトリックス支持型主体の砂礫から構成されている。砂礫の締まり状態は緩く、スコップで崩すことができるほどである。礫径をみると、径100mm程度以下のものが主体で、200〜300mm程度のものは局部的に混入している。礫の円摩度は亜円〜亜角である。礫種ははんれい岩・緑色岩・粘板岩、等を主体としている。基質は砂を主体としている。

なお、本層中には緩い締まり状態にある粗〜細砂のレンズや有機質シルト・シルトのレンズが頻繁に挟在している。

B 混入物

本層中にある砂や粘性土のレンズには植物遺体や有機物が混入している。また、西町Aトレンチにみられるように、材が砂礫中に稀に混入している。