比抵抗構造は68m地点を境にして、南側(図では左側)と北側(図では右側)で、大きく異なる。全体的に北側が低比抵抗値を示し、南側は高比抵抗値を示す様子が見られる。北側は3層構造を形成し、試錐結果と対比した結果、深度0〜2mで50Ω・ m以下の値を示す赤い部分が耕作土、堆積粘土層などに、深度3〜6mで200〜300Ω・mの値を示す緑の部分が中〜大礫河川堆積層に、そして深度6m以深で100Ω・m以下を示す赤い部分が基盤岩に相当すると解釈した。基盤岩の低比抵抗値は、基盤岩のコア資料の硬度が低下していることにもよく対応する。
礫層は距離24〜26m(a地点)、49〜55m(b地点)および67〜70m(c地点)で低比抵抗値を示している。a地点のすぐ南側では基盤が窪んでいる様子が見られ、反射法探査の結果とも整合している。b地点でも同様に基盤の窪みが見られる。c地点の南側では基盤の比抵抗値が高くなる様子が見られる。
一方70mより南側では深度0〜5mで500Ω・m以上の値を示す紫の部分が見られ、それ以深でも、200Ω・m程度の値が見られる。
以上のことから比抵抗探査では上記の3地点に断層運動に関係するなんらかの地質構造の変化区域であることを示唆する。