1) リニアメントの抽出
リニアメントの抽出は山地,丘陵内では,尾根,谷,河川を横切って続く崖,鞍部,溝状凹地などの直線的地形配列,また、直線的地形ではなく帯状の地形であるが、褶曲,撓曲に起因する可能性のある地形面のたわみ(凸の曲線状を呈する断面),傾斜面等の配列に着目し,以下の要素を吟味して行う。
・ 連続区間が長い。
・ 付近の地形に比べ直線状を示す。
・ たわみ,傾斜面,風隙,眉状の崖,特異な地形が存在する。
2) ランクの決定(リニアメントの成因の検討)
前項で抽出した地形が,河食崖,海食崖などの外因的な要因によるものか,或いは断層,褶曲などの内因的な要因による変位地形か否かを検討する。検討内容は上記3要素のほかに,以下の要素を総合的に検討してリニアメントのランクを決定する。
・ 地形面の時代 段丘面,崖錐などの新しい時代の地形面にリニアメントが連続して認められれば、ランクは高くなる。
・ 連続性 A) 寸断することなく連続する。
B) 隣接する時代異なる地形面に連続する。
・ 連続方向付近の一般的な地形(水系,河食崖等)の連続方向と異なる方向へ連続しており,河川などの侵食地形と考えにくい。
・ センスある長さのリニアメントを通じて一定傾向の高度差や屈曲が認められる。また、崖面の向き,撓み,傾斜面の方向が現河川に向かず,逆に丘陵,山地側にむいており,侵食地形と考えにくい。
・ 形態の鮮明さ崖など地形形態が平滑で開析を受けていない。