基盤岩は地表面から6m以深に分布し、破砕された夜久野複合岩類(主として変はんれい岩)(Yg)及び中古生層の緑色岩(Pg)で構成される。大原断層沿いの断層破砕帯は破砕度V〜Xであり、破砕幅は全体として30m以上に及ぶものと推定される。破砕帯中には中古生層の粘板岩が取り込まれ、複雑な岩相変化をしている。基盤岩の上位には宮本川本流起源と考えられる氾濫原堆積物の砂礫層(rdc)が厚さ4 〜5mで堆積している。主として夜久野複合岩類の拳大の亜角礫と、シルト〜中砂のマトリックスで構成され、締まりはよくない。また、砂礫層中には薄いながらも砂層が挟在している。氾濫原堆積物(rdc)の上位には細礫を主とする砂礫層(rdp)が堆積し、その中には腐植物がかなり混入している。
地表から1mまでは耕作土が分布している。また、山際には崖錐堆積物が分布しており、これは砂層(dts)と砂礫層(dtg)の互層で構成されている。この崖錐堆積物は氾濫原堆積物と指交関係で接していると考えられる。
(2)電気探査結果
電気探査結果から以下のような地質的解釈が可能である。
山体部:比抵抗値 R>180Ω−m;岩盤
R>500Ω−m;崖錐堆積物
平地部: R< 70Ω−m;破砕帯
100 < R<200Ω−m;砂礫層
R< 50Ω−m;耕作土
断層は比抵抗値の不連続部となる山裾に推定できる。基盤内に広く低比抵抗帯があるため、幅広い破砕帯の存在が推定された。
(3)浅層反射探査結果
浅層反射断面から明瞭な反射面が2層認められる。ボーリングの結果から上部の反射面は砂礫層上面、下部の反射面は基盤上面に相当するものと解釈できる。また、断層は山裾および田圃中央部を通り、反射面のたわみあるいはズレとして表現されている。