(2)試料の分析

各コア試料は、アルミパイプから押し出した後、帯磁率測定、粒度分析、含水比測定及び鏡下観察による地質記載を行った。図3−9にコア試料分析作業のフロー図を示す。また、図3−10−1図3−10−2図3−10−3図3−10−4図3−10−5に分析結果の総括図を示す。

図3−9 コア試料分析フロー一覧図

写真3−12 コア試料分析作業状況(粒度分析)

図3−10−1 亀川沖西断層コア試料分析結果総括図

図3−10−2 豊岡沖断層コア試料分析結果総括図その1

図3−10−3 豊岡沖断層コア試料分析結果総括図その2

図3−10−4 杵築沖断層北コア試料分析結果総括図

図3−10−5 杵築沖断層南コア試料分析結果総括図

写真3−13 主要火山灰 鏡下写真

(a)帯磁率測定

帯磁率測定は、試料ををアルミパイプから取り出した直後、帯磁率計(Bartington Instruments社製)を用いて2cmずつ実施した。BEP01−02、04、05、10、11はこの分析のみを行っている。

堆積物の変化に伴って認められるピークは、火山噴出物を多く含む層準(scoria層、Yf−1層、pumice層、K−Ah層、その他火山灰層)の部分で特に顕著であった。

(b)粒度分析(粗粒成分量)

粒度の組成を調査する目的で、試料を粒径125μm以上と63−125μmに篩い分けて、各々の分量を測定した。これら粗粒成分の分量のピークが顕著に表れる個所として、火山噴出物を多く含む層準(scoria層、Yf−1層、pumice層、K−Ah層、その他火山灰層)が挙げられる。

(C)鏡下観察による地質記載

堆積物を鏡下で観察した結果、コアの対比をする際の鍵層となる火山性堆積物層を15層認めた。火山灰層は、断層の隆起側・沈降側での対比面を決める際に最も重要な鍵層となる。本調査で採取したコアの中に認められた火山灰層の一覧を表3−2に示す。また、同表内にはこれまでの調査結果(大在沖、中央断層含む)から求められる主要な火山灰層の年代値も表示した。各層の概要を以下に示す。また写真3−13に主な火山灰の鏡下写真を示す。

表3−2 別府湾コア試料 火山灰層一覧