3−2−1 既往資料の調査
別府湾の海底活断層については、ピストンコアリングによって採取された試料の分析から多くの知見が得られている。島崎ほか(1986)は,この断層群西部において音波探査とピストンコアラーによる海底コア採取を行い,海底堆積物より鬼界アカボヤ火山灰層を検出した.そして,断層群の1つの断層によって鬼界アカボヤ火山灰層の下面深度が3.8m変位していることを明らかにし,約0.6m/103年の平均変位速度を求めた.また,島崎ほか(1990)は,別府湾中央断層において,鬼界アカホヤ火山灰層で約20mの南落ち垂直変位を報告している.コアリングに伴い実施されたソノプローブ音波探査では非常に詳細な堆積物の反射記録が得られており、これを元にした海底活断層分布図が描かれている(島崎ほか、2000)。
図3−6 別府湾海底断層分布図(島崎ほか、2000)