活動性についてみると、古い火山体の変位量からみたこれらの断層の活動度は、日出生・坂山の両断層でB級の下限程度という評価ができるほかは、いずれもC級であまり高くない。
最新活動時期については、秋山・坂山北1の2断層で、断層によるK−Ah火山灰の変形が確認できた(Loc.39,40)ほか、砲台山・秋山北・坂山の3断層でも断層近傍で、断層運動によると考えられるK−Ah火山灰の変形が見出された(Loc.35,38,43)。また、秋山・坂山の両断層では、日向山付近の谷沿いの新しい地形面(崖錐もしくは沖積面)も変形しており、その点からみても最新活動時期はかなり新しいと判断される。
以上のように、本地域の断層群については、日出生断層を除き、かなり活動性が高いというデータが得られている。中でも断層の長さや変位地形の明瞭さからみると砲台山・秋山・坂山の3断層が代表的なものと考えられる。これらについては、トレンチ調査などによって詳細なデータが得られる可能性のある地点が抽出できる(Loc.36など)。また、日出生断層についても、日出生集落付近でリニアメント延長部の沖積面上でトレンチ調査を行うことで活動性の評価ができると考えられる。