(2)活断層

高平山・実相寺山の2つの火山体は開析を受けているものの、溶岩や他の堆積物の堆積面はかなり残っており、これらの地形面の変位から活断層が認定できる。

既存文献資料では、この地域に平道・亀川・鉄輪の3条の断層が認定されており、今回の調査でもこれらの断層に相当する変位地形が確認できた。いずれも南落ちの断層で高平山ないし実相寺山火山の噴出物に、地形的にみて最大40〜60mの変位を与えている(Loc.14参照)。これらの火山の年代を九州活構造研究会(1989)に準じて20万年とすると活動度はB級となる。また。このうち亀川断層については、西方延長部でトレンチ調査が行われており(Loc.13A,B)、K−Ah火山灰降下以後も活動していること、変位に累積性があること等が確認されている。また、このトレンチ調査では、調査地域の新しい時代の火山灰層序についての情報も得られている(3−2−1節参照)。

他の2断層については、最新活動時期についての情報は得られていないが、断層変位地形の明瞭さからみると、少なくとも鉄輪断層は、かなり新しい時期に活動した可能性が高いと考えられる。