3−1−1 地形・地質関係の資料
調査地の地質に関しては、首藤・森山・日高らによる大分層群を中心とした研究(首藤,1953、首藤・日高,1971、日高,1978、森山ほか,1983など)に始まり、鎌田らおよび新エネルギー・産業技術総合開発機構による地熱開発に関連した鮮新世〜更新世の火山岩類の年代や深部地質構造についての一連の研究(鎌田・渡辺,1985、新エネルギー・産業技術総合開発機構,1988,1989,1991,1997など)がある。この成果は、豊肥地熱地域地質図(1981)、鶴見岳地域火山地質図(1990)としてもまとめられている。後期更新世〜完新世の新しい火山活動やそれに由来する火山灰に関しては、小林(1984)やTakemura(1993)、竹村(1994)等で詳細にまとめられている。さらに、これらの研究を踏まえ地質調査所により、1/5万図幅「豊岡」(星住・森下,1993)、「別府」(星住ほか,1988)、「大分」(吉岡ほか,1997)がまとめられている。地形については、後述する活断層に関連しての研究のほかに、千田による国東半島から別府市、湯布院町、大分市にかけての地域の一連の研究がある(千田,1983、千田・加藤,1994、千田,1987など)。また、小林(1984)や千田・加藤(1994)、千田(1995)には、由布岳・鶴見岳・別府扇状地付近の地形面区分が示されている(図3−1−1、図3−1−2参照)。
以上の既往文献資料をもとに、調査地域の地質層序・年代・火山活動史について、表3−1−1、表3−1−2、表3−1−3にまとめた。後述する地形・地質調査にあたっては、これらの文献資料を参照しながら、地質層序・年代等の検討を行い、地形面区分図・地質図や地質層序・年代の総括表を作成した。これらの調査結果は、活断層の評価と共に、3−2.節でまとめる。