(1)空中写真判読

空中写真判読には、縮尺1/2万程度の空中写真を用いた。

断層変位地形やリニアメントの抽出に先立ち、以下のような地形の抽出・分類を行った。

・面の比高・勾配・開析度などに基づく段丘面・扇状地面の分類。

・火山地形の判読による火山山麓斜面の区分。

・火山灰層を挟む腐植土層などの分布が期待される凹地などの微地形。

・断層変位地形と誤認する可能性のある地すべり・崩壊地形。

なお、地すべり・崩壊地形については、大分県全域についての空中写真判読が行われており、1/25,000の地形図にその分布がまとめられているので(大分県砂防課,1997:弊社による地形判読)、これらの資料も参照した。

この地形分類をもとに断層変位地形やリニアメントの抽出・分類を行った。分類の基準は、原則として活断層研究会(1991)の基準に従った(表2−2−1参照)。ただし、雲仙火山の例(長崎県島原振興局・(財)砂防・地すべり技術センター,1992:弊社の堀伸三郎による地形判読)でも見られるように、断層変位地形と火山地形の区別は困難な場合が少なくないので、特にこの点に留意して作業を進めた。

調査結果は、縮尺1/25,000の地形分類図、リニアメント図としてまとめ、変位基準面の年代と変位地形の分布から、断層の活動についての概略の評価を検討した。

表2−2−1  活断層の確実度の区分