(1)花香断層

北の分岐は、五馬市の北まで延びる。長さは7.3kmである。

平成14年度の調査で、この断層のリニアメント付近を境にして、南側では五馬市デイサイト溶岩に覆われて地表付近にはみられない耶馬溪溶結凝灰岩(約100万年前)が、北側では高い標高まで分布していることがわかった。これは、少なくとも耶馬溪溶結凝灰岩が、断層による変位を受けていることを示唆するが、このような基盤の地質分布から追跡した断層の位置は、地形的なリニアメントの位置とずれている。また、リニアメント付近には、Aso−4火砕流堆積物が分布しているが、露出が少なく、断層変位を受けているかどうかを確認することは困難であった。基盤の断層とリニアメントの位置がずれていることも合わせて考えると、この付近で断層の活動性を評価することは難しいと判断した。