(1)桶蓋山北東方断層(挾間)

平成14年度の調査では、北側の断層のリニアメント位置付近で露頭剥ぎを行なった。その結果、K−Ah火山灰層とAT火山灰層を北落ちに変位させている断層が確認された(図6−2−1)。

図6−2−1 新しい時代に活動した断層(桶蓋山北東方断層;露頭剥ぎ結果)

〇断層の長さ :1.1km

〇断層の性状

走向は、ほぼ東西で、傾斜は、鉛直ないし南傾斜80°である。黒ボク土層中で、かなり低角になるが、これは、斜面表層のクリープの影響が加わったためと考えられる。

〇変位量

斜面下部の断層では、AT火山灰層、K−Ah火山灰層共に30〜40cm、斜面上部の断層では、AT火山灰層が30cmである。

〇活動イベント

2つの断層が変位させている地層が異なることから、次の2回の活動イベントが読み取れる。黒ボク土の形成開始以後、約1万年間に2回の活動が生じていることから、活動間隔は、数千年オーダーと判案される。

・K−Ah火山灰以後、浅部の黒ボク土層の堆積途中

・AT火山灰以後、K−Ah火山灰下位の黒ボク土層の堆積途中