(2)栃木断層の北側の断層

平成14年度の調査で、栃木断層(南落ち)の北方において、表層のローム層を変位させている北落ちの断層を確認した。地形的には、断層に対応するリニアメントは認定できない。このため、長さは不明である。

北西−南東走向で、断層面の傾斜は、高角の南傾斜ないしほぼ鉛直である。断層は、複数に分岐している。Kj−P1層およびその下位の石質火砕流堆積物が、上下方向に1〜2m変位している。露頭では、Kj−P1より新しい火山灰層と断層との関係は確認できなかった。

この2つの断層では、Kj−P1の変位は、いずれも1〜2mである。これから算出される上下方向の平均変位速度は、0.02〜0.04m/千年で、あまり大きくない。これらの値からみて、Kj−P1以後の活動回数は1〜2回程度で、活動間隔は数万年オーダーである可能性が高いと考えられる。