(1)猪牟田断層

この断層は、東西走向、南落ちで、長さは2.3kmである。猪牟田ダム建設計画に伴う調査が、国土交通省によって実施されている(国土交通省,2001)。この報告では、猪牟田断層について、次のようにまとめられている。

〇変位量・平均変位速度

中板溶岩(32万年前) :25m

九重第一降下軽石層(Kj−P1)(5万年前;ただし、国交省報告では、8万年を採用) :約1m

AT火山灰層 :?

K−Ah火山灰層 :変位なし

中板溶岩の変位量から算出した平均変位速度は、0.08m/千年。活動度はC級で、活動性はあまり高くない。

〇活動イベント

32万年前以後に少なくとも4回活動、最新活動はKj−P1以後、K−Ah火山灰より前。

なお、この断層では、平成14年度の地質踏査により、断層露頭を確認している。