2−4−1 熊の墓断層

崩平山西側山麓の扇状地から熊の墓東方まで、山麓斜面に逆向きの断層崖が連続する。

地形的に追跡できる断層の長さは、3.5kmである。

熊の墓付近には、比高50m程度の北上がりの断層崖が東西方向に連続しており、断層落ち側に沖積低地が形成されている(図4−4)。西側の崩平山北麓の扇状地面上には、比高数mの北上がりの低断層崖が認められる。その西方では、崩平山の北側斜面上に逆向き断層崖ないし斜面の傾斜遷緩部が認められる。さらに、西方では、崩平山西方に分布する北西方傾斜の火山麓扇状地面の上に、ほぼ北西側上がりの東西方向の直線的な低崖が認められる。断層崖の比高は、1〜2.5mである。これは、あまり浸食・開析されていない新しい地形面で、後述するトレンチ結果からみて形成年代は3万〜4.8万年前と推定される(図4−5図4−6)。

今回は、この低断層崖の位置でトレンチ調査を実施し、北側上がりの断層を確認した。地層の保存状態を確認するために、まず2ヶ所で試掘を行ない、西側地点を本格的なトレンチとして拡幅した(図4−7−1図4−7−2図4−8)。