○断層の延長部と長さ
野上川支流右岸の断層崖の西方延長部では、大規模な崩壊が生じているため、断層の延長部にあたる変位地形は確認できない。野上川本流と支流の間の、Aso−4火砕流堆積物から構成されていると推定される尾根では、断層崖の延長部付近に南側が下がった鞍部が認められる(図3−4)。比高は6mである。さらに西では、Aso−4火砕流が浸食されて形成されたと考えられる、野上川右岸の河岸段丘上に、断層崖の可能性がある上流側(南側)落ちの比高1〜1.5mの段差が認められる。これらは、断層変位地形ないしその可能性がある地形と考えられる。ただし、断層の存在は確認できていない。これより西方では、変位地形の可能性がある地形は確認できない。
一方、東方では、標高758mのピーク付近まで、トレンチ地点の断層崖の延長がみられるが、それより東では、変位地形は確認できない。
以上のデータより、断層の長さを求めると、約1.8kmとなる。