3−2−2 地形地質調査

調査地域付近では、活断層調査で通常変位基準面として用いられている段丘面等の水平に近い地形面の分布がせまく、このような地形面だけでは断層評価のための変位基準面としては充分でないと考えられる。よって、溶岩流、火砕流や岩屑流によって形成された火山山麓の斜面を変位基準面として用いる必要がある。

また、山地部では、分布標高の高さからみて、山麓斜面や高原地形の表層(特に地形的凹部)には炭素同位体法による年代測定が可能な腐植土層が厚く堆積している可能性がある。また、このような腐植土層の中には、時代決定に有効な(広域)火山灰が保存されていることも期待される。

地形地質調査では、調査地のこのような特徴を踏まえ、文献調査でとりまとめた火山の形成史と、変位基準となりうる地形面や地層の年代や分布の資料を用いて、空中写真判読と地表踏査(概査・精査)により、地形面や地層の区分・対比を行い、それをもとに断層変位地形やリニアメントを抽出・評価した。