3−1 調査の流れと方針

調査全体の流れを図3−1に、調査工程(実績)を図3−2に示す。今年度調査では、主に次年度の詳細調査の基礎となる地形・地質データの取得を行い、それをもとに詳細調査地点の選定、調査方法を検討した。調査にあたっては、2章で述べた別府−万年山断層帯西部地域の性格をふまえ、以下の方針で調査を実施した。

@ 個々の断層の性格を踏まえて、位置・変位センス・活動履歴からみた各断層の共通性および差異に基づき、活断層をグルーピングし、同じセグメントとして評価できるかどうかを検討する。

A 火山噴出物の堆積面や火山灰層の年代と層序について従来の見解を整理、再確認し、断層評価上での変位基準面としてまとめる。また、火山活動と断層活動の関連についても検討する。

B 大分県中部地震の際にみられた地表変位と活断層の関係を明らかにする。

C 「別府−島原地溝」の大構造ないし中央構造線およびそのテクトニクスとの関連を念頭におき、断層帯の性格を検討する(地溝を形成したテクトニクスと断層の変位センスの関係、火山や基盤の構造境界と断層の位置の関係など)。

D 以上の検討を踏まえて、調査地域の活断層の活動性をおおまかに評価し、その結果を元に詳細調査計画を立案する。

本調査を実施するにあたっては、委託者および大分県地域活断層調査研究委員会(以下「委員会」と称す)と緊密に連絡をとり合いながら調査を進めた。

・調査に着手する前に、本調査の実施計画書を委託者(大分県)に提出するとともに、その内容を委員会に説明し、了解を得た。

・必要に応じ、調査の進捗状況を委託者および委員会に報告した。

・委員会の指導・助言については適切に対応する。調査の進捗状況は的確な時期に委員会に報告し、委員会の検討に賦す。必要に応じて調査方法・調査位置等について委員会の意見を求め、その意見をもとに調査内容を充実させるよう努めた。

・調査の進捗に応じて委員会による現地視察を企画・提案し、実施の際には、その補助を行った。

図3−1 調査の流れ

図3−2 調査工程 (実績)