調査結果は、巻末資料に詳細柱状図とコア写真として示した。試料分析結果も総合した断層両側での地層対比を図3−3−7−3に示す。
海成層中に挟まれるK−Ah火山灰層が推定される断層を挟んで約11m北側へ低下している。これは、断層による変位と考えられる。また、断層の上がり側のA孔では、深度27m以深にステージ5e(10万〜12万年前)の堆積物が確認されたが、断層の落ち側のB孔では、少なくとも深度70m以浅にはこの時代の堆積物は確認できておらず、深度52m付近以深は、最上部にAT火山灰層(2万2千年〜2万5千年前)を伴う氷期の堆積物と推定される。逆にこのような堆積物は、上がり側のA孔ではほとんどみられない。
このようなデータからみて、この地区の断層は、後期更新世以後継続的に活動してきた可能性が高いと判断される。