括表(表2−6−1)、総括図(図2−6−3)に示す。また、海域の断層の調査結果との比較を表2−6−2に示した。
・ 反射法弾性波探査とボーリング調査によって、大分市内東部地域(大分川−大野川間)に、2条の伏在活断層を確認した。また、既往ボーリングデータも用いて、これらの断層の位置と延長を図示した。
・ 北側(河口付近)の断層を三佐断層、南側の断層(大在大橋南方)を志村断層と名づけた。
・ 平成11〜12年度に調査した府内断層の延長部は、芸術会館付近からさらに東へ日岡地区付近まで延びていると判断された。
・ 三佐断層は、ボーリング調査結果からみて、K−Ah火山灰層堆積以後に、上下方向で26.5〜30m程度北落ちに変位していると判断される。K−Ah火山灰層堆積以後に、少なくとも3回の活動イベントが認定できる。最新活動時期は、300年前〜1,000年前の間で、1,596年の慶長豊後地震に対応する可能性が考えられるが、現時点でのデータのみでは確実ではない。確実な断層活動イベントのみから判断すると、活動間隔は、1,900年程度、1回の断層活動での上下方向変位量は、4.4〜12mと評価される。
・ 志村断層は、反射法弾性波探査とボーリング調査結果からみて、K−Ah火山灰層堆積以後に、上下方向で1〜2m程度北落ちに変位していると判断される。断層による変位を受けていないと考えられる地層の年代からみて、最新活動時期は、1,000年前頃よりも前であり、慶長豊後地震には対応しないと考えられる。一方、K−Ah火山灰層堆積以後の活動履歴については、現時点では解明できていないため、活動間隔や1回の断層活動での上下方向変位量については、現時点では評価できない。
・ 大分市内に伏在する活断層全体について、将来の地震発生危険度を検討すると、最新の活動は、慶長豊後地震に対応している可能性があるが、現時点では、評価が確定できていない。一方、活動間隔についても評価した値に幅がある。このため、現時点では、さし迫った将来の地震発生の可能性について、明確に評価することは難しい。
・ 大分市域の伏在活断層については、今後もさらに検討を行い、「別府−万年山断層帯」全体の調査が終了する平成15年度末に、断層帯全体の評価と合わせて最終的な評価を行なう予定である。