(1)断層の性格

大野川測線における反射法探査やボーリングの結果および既往文献資料のデータからみて、大分市内東部地域の断層は、模式的に下図のように表現できる。(図2−5−3

すなわち、大在大橋より南側の断層の、さらに南側では、完新統が大分層群を直接覆っているが、北側では、完新統の下位に晩氷期〜氷期の堆積物が、その下位に最終間氷期の海成堆積物が分布している。大野川河口付近の断層より北側では、晩氷期の堆積物が、南側よりかなり厚くなっている。

同様の地層分布は、乙津川測線の反射断面やS波速度分布からも推定される。

日岡地区においても、反射法探査で確認された断層を境にして、南側では、完新統の下位に最終間氷期の海成堆積物が出現するが、完新統の下位には、南側には出現しない晩氷期〜氷期の堆積物が厚く分布している。

このように、この地域の伏在断層は、後期更新世以降の地層の分布を大きく規制している。