(1)断層を挟む地層対比

図2−5−2−1図2−5−2−2に、No.5−No.7孔−No.4孔の地層対比を示す。断層活動が生じていない期間は、断層の両側で同じように地層が堆積すると仮定すると、ある時期に断層活動が生じ、その後落ち側には上がり側に比べて厚い地層が堆積した場合には、これらの図において、その時期に対応する層準を挟んで上下の対比線の傾斜が変化するはずである。一方、断層活動が生じていない期間の対比線は平行になると考えられる。

この2つの図においては、完全に平行な対比線は得られていない。これは、大野川河口という堆積環境からみて、「断層活動が生じていない期間は、断層の両側で同じように地層が堆積する」という仮定が必ずしも成立していないためと考えられる。しかしながら、これらの図においても明らかに対比線の傾斜が変化する部分は確認できる。そのような区間を「増傾斜」※区間として示した。

これらの図から、明らかな「増傾斜」現象は、貝化石の産出が多く、「b層準」として認定した層準以後に生じていることが読み取れる。