(2)既往ボーリング資料の解析結果

1) 平成10年度調査以来、収集・整理してきた大分市内のボーリング資料を解析し、K−Ah火山灰層の分布標高の等標高線図を作成した。K−Ah火山灰層は、海成の沖積層(一般に泥質相)の中に「シラス」として記載されていることが多く、既往のボーリング資料からも比較的明瞭に分布深度が読み取れる。この結果を図2−5−1−4−1図2−5−1−4−2に示す。

大分市内西部地域については、既に平成10年度調査で同様の作業を行ない、K−Ah火山灰層の分布標高の急変点を見出し、伏在断層の位置を推定した。平成11年度~平成12年度の調査では、このように推定した位置で実際に断層を確認している。

今回の調査対象とした大分市内東部地域については、西部地域ほど明瞭なK−Ah火山灰層の分布標高の急変点は見出せていないが、日岡地区、松原地区、大野川河口などで、K−Ah火山灰層の分布標高の変化がみられる。いずれも、北側が下がる傾向である。後述するように、反射法探査で確認された断層の位置は、ほぼこのような地域に一致する。

2) 大野川を横断する大在大橋に沿ったボーリング資料(図2−5−1−5)でみると、少なくと

もK−Ah火山灰層以浅の地層は、東西方向でほぼ水平に分布している。このことからみて 

「大野川断層」は、存在したとしても、K−Ah火山灰層以後にはほとんど活動していないと判断される。