変位が大きく主断層と考えられる断層の位置は、距離程2,595m付近で、前面(北側)に副次的な断層(距離程2,510mや2,540m)を伴う。グラーベン構造の北端は、距離程2,375m付近である。主断層より北側の地層は、深い位置のものほど変形が大きく、断層変位の累積性を示している。
主断層による変位は、北落ち、変位量は、基盤上面で約15m、完新世の海成層の下限(約1万年前)で2〜3m、K−Ah火山灰層で1〜2m程度である。また、主断層の北側には、南側(上がり側)にはみられない地層(断層の北側で深度35m以深)が分布する。ボーリングコアの分析結果からみて、これは、後期更新世の地層(段丘構成層相当)と推定される。このことから、この断層の活動は、少なくとも後期更新世までさかのぼる可能性が考えられる。
一方、反射面の分布、断層を挟むボーリング孔間の地層対比(図2−4−1−7)からみて、表層に分布する河川性の砂礫層の下限は、断層変位を受けていないようである。