(4)14C年代測定
14C年代測定結果は、各ボーリング柱状図に記載した。このうち大野川右岸地区のNo.5孔では、かなり多くの年代値が得られている。No.5孔の深度−年代値曲線を図2−3−2−8に示した。この孔では、海成と陸成の試料が混在している。いずれも、conventional ageで表現しているが、一般に完新世の海成試料の14C年代は、陸成試料より400年程度古くなることが知られている。したがって、ここでは、年代を統一的に検討するために、陸成試料の年代値に400年を加えて海成試料の年代値と比較した。試料の年代から、地層の堆積速度変化が読み取れるが、5,200年前から、それ以前と比べて、急激に堆積速度が大きくなっている。また、堆積速度が大きい区間内でも、曲線は階段状になっており、堆積速度に緩急の変化が生じていることがわかる。