調査海域周辺では、既に表層探査を目的としたソノプローブ音波探査やユニブーム音波探査が実施されている。今回の調査では、それら表層探査で用いられた手法より大きなエネルギーの音源を利用して、より深部まで探査が可能な手法としてシングルチャンネル音波探査を選択した。音源はエアガンとスパーカの2種が考えられたが、発振周波数が短く分解能の優れているスパーカを用いることとした。
※エアガンはエアのチャージに時間が必要であり、最小でも2secが発振間隔となる。通常調査船の速度は遅くとも3ノット程度であり、ここで2sec毎に発振した場合の反射点の間隔は約3mとなる。これを従来のアナログ記録器を用いて記録した場合、1kmの測線が記録紙上に幅約7cmで表されることとなり、縦横比が非常に強調された形になってしまう。これに対し、スパーカの発振は数10Hz程度であるため、より分解能が高く、縦横比の誇張も緩和され断層の位置を特定するのに好都合である。