3−4−2 速度解析

速度解析で得られる速度値は重合速度と呼ばれ、地層がほぼ水平の場合には近似的にRMS速度に等しいと見なされている。速度解析は次の手順で行った。

a.推定される重合速度の範囲のなかで、120種の速度を等分に仮定する。

b.各速度でNMO補正を行い、オフセットによらず反射波が同じ時刻に並ぶ速度と時間を求める。

c.図から直接速度を読み取ることもできるが、労力および精度に問題があるため、CMPアンサンブルのデ−タを定速度でNMO補正した後に、

イ. 狭い時間ゲ−ト内でのトレ−ス間の相関(センブランス)を求める(速度スペクトル法)

ロ. 全てのトレ−スを加算して1本のトレ−スとする(C.V.S.法,constant velocity scan)などの方法で整理する。

d.実際には全デ−タを用いた場合には、イ.,ロ.の方法でもCMPの数だけ図が得られるため、読み取りを自動的に行い、これを整理して重合速度を決定する。

図8−1図8−2図8−3図8−4図8−5図8−6図8−7図8−8図8−9図8−10図8−11図8−12図8−13図8−14図8−15図8−16図8−17図8−18に、上記の方法で求めた速度解析結果を示す。図中○印は上記のイ.で求めた結果、また×印はロ.で求めた結果である。印の大きさはセンブランスあるいはパワ−の大きさを示している。