3−3−1 表層静補正

一般的には屈折法により表層をはぎ取る方法が用いられるが、特に、ミラ−ジ的な速度変化を示すような速度構造地盤では、必ずしも精度の高い補正値を得られるとは限らない。今回は、次に述べる「屈折波トモグラフィ−」により表層の速度分布を求め、これより静補正値を算出し、表層に起因する乱れを補正した。図5に表層速度解析結果を示す。

屈折波トモグラフィー会席の手順は次の通りである。

イ. 観測波形よりP波の初動走時を読み取る。

ロ. 差分格子点に適当な初期速度分布値を与える。

ハ. アイコナ−ル法により、ある震源点で起震した場合の各格子点の初動走時を計算する。

ニ. 初動走時分布をもとに波線を求める。

ホ. 各波線の観測走時と計算走時の比を修正係数とし、波線周辺の格子点に記憶する。

ヘ. ハ.〜ホ.を全震源点についておこなう。

ト. 格子に配られた修正係数をもとに新たな速度分布を算出する。

チ. ハ.〜ト.を収束するまで繰り返す。