3−5−1 伏在活断層のボーリング調査結果

平成10年度調査で大分市街地直下に伏在すると推定された活断層について、ボーリング調査により活動性評価を行った。調査は、図3−5−1−1、図3−5−1( )に示した府内城東方の測線上で m〜 m間隔の群列ボーリングとして実施した。これらのデータを整理したボーリングコア柱状図およびコア写真は巻末資料にまとめた。

この群列ボーリング調査により、K−Ah火山灰の分布標高が、列の北端(bV孔)では、南端(bS孔)に比べて約10m低くなっていること、列の中央付近のbU孔では、さらに約6m分布標高が低くなっていることがわかった。このよな構造は、堆積時の初生的な構造ではなく、後生的な構造運動(北落ちの断層活動?)によるものと考えられる。以下で述べる試料分析結果は、この構造運動の解明のために行ったものであり、主として上記の3孔の試料について実施した。

なお、以下では既往の文献資料における沖積層の地層区分(表3−5−1 参照)で整理しているが、後述するように各部層の境界は漸移的であることが多く、一部を除き、今回の目的である地質構造解析のための地層区分としては有効ではないと判断される。しかしながら、上下方向の大局的な層相変化の記載方法としては、わかりやすいものであるため、便宜的にこの区分を踏襲して用いた。

また、平成10年度報告書で述べたように、想定される伏在活断層は北落ちである。したがって、測線南側の孔(bSなど)を上り側、北側の孔(bV,bUなど)を落ち側と呼ぶ。