表3−5−1−1−2 14C年代測定試料の内訳
測定結果の考察
分析結果と試料の層準の関係をみると、次のような問題のある試料が含まれている。
a.貝化石で、年代の古い値が層序的に上位から出現していることがある。これは、より古い化石の再堆積によると考えられる。年代の逆転の幅は、概ね200〜500年以下である。
b.木片の年代値が周辺の他の年代値に比べてかなり古い。これは、古い木片の再堆積によると考えられる。年代の逆転の幅は、1,000年以上である。
c.泥炭〜炭質粘土の年代値が周辺の他の年代値に比べてやや若い。これには、試料採取後、何らかの形で現世の炭素の影響があった可能性が考えられる。
このうち、a.のような試料は、基本的には検討対象からはずしたが、年代の逆転の幅が小さいため、地層の年代幅の検討などにおいては参考地として扱った。b.の試料は、全く検討から除外した。c.については、周辺の年代値(特に貝化石での値)との比較を行い、常に”若返り”の可能性を考慮して参照した。