(2)坂山北1断層

秋山北断層と坂山断層の間に位置し、福万山由来の石質火砕流堆積物の堆積面上に南落ちで、比高1m以下のごく低い断層崖がみられる。露頭では逆断層的な断層によってK−Ah火山灰が変位を受けており、下位の黒ボク土層の層厚が厚くなっていることから、K−Ah火山灰の前後に各1回の活動イベントがあったと判断された。活動間隔は数千年オーダー、1回の活動での上下方向変位量は、0.3〜0.5m程度で、秋山断層と同様に、ごく規模の小さい活動を比較的短い間隔で繰り返していると判断される。

坂山北1断層の地形・地質調査結果

※平成10年度報告書より転載

1)断層の概要

九州活構造研究会(1989)、活断層研究会(1991)には記載なし。

2)その他の既往資料

な   し

3)空中写真判読結果

・福万山起源の火砕流堆積物の上面に、南落ちの低断層崖がみられる。変位量は2m以下である。

・西方の延長部は、福万山山体の尾根の鞍部の位置にのびるようにみえるが、途中の連続は不明である。

・東方の坂山山体(秋山溶岩から成る)には変位地形はみられない。

・火砕流堆積物上面の低断層崖の長さは、約0.3q。西方の鞍部も含めると約0.8q。

4)地表踏査結果

・リニアメント付近でK−Ah火山灰とその下位の礫混り褐色粘土に南落ちの変位を与えている断層の露頭を見出した。

5)評   価

・火砕流堆積物やK−Ah火山灰を変位基準として、上下方向の平均変位速度を求めると次の通り。

火砕流堆積物:  0.05m/千年

K−Ah火山灰:   0.1m/千年

活動度はB級の下限〜C級である。

・最新活動時期は、断層露頭の状況からみて、K−Ah火山灰降下以後である。