3−2−1 軒ノ井断層

平成10年度の地形・地質調査結果にもとづく断層の評価概要を次ページに示す。

トレンチ調査結果

当初は、地形・地質調査結果の欄に述べたように、河川がリニアメントを横断する位置で平坦面をつくっている場所でトレンチ調査を行う予定であったが、人工改変が著しいことが判明したため、断層崖そのものの掘削に変更した。軒ノ井断層でのトレンチ調査結果は、スケッチ図、壁面写真、試料分析結果等として、巻末資料にまとめた。調査結果をもとにした活動性評価を図3−2−1に示す。

トレンチ掘削の結果、断層自体は確認できた。位置・形状・変位センス等の評価は、平成10年度の結果とほぼ同様である。基盤の大分層群上面の変位量は3〜4mと小さく、落ち側の基盤を覆う崖錐性の堆積物の層厚も最大70pと、ごく薄いものであった。この崖錐性堆積物※も断層による変位を受けているが、基盤上面の変位量からみて、活動性はごく低い(活動度C級以下、活動間隔も数万年オーダー)と判断される。