(2)調査方法

@使用機材仕様

ボーリング調査は、ハイドロリックフィード式マシーンを用いて行った。

ボーリング調査機材を表2−2−2に、ボーリング機械設置の概要を図2−2−2に示した。

図2−2−2  ボーリング概要図

表2−2−2  ボーリング調査機材一覧

A掘進方法

・原則として、孔径86o以上のオールコアボーリング(採取コア径65o以上)とした。

・コアチューブ(下図)の選択や掘進方法は、極力コアの脱落や乱れが生じない方式を採用した。

・掘進に際しては、作業時の騒音防止・掘進用泥水の処理等、周辺環境に充分配慮した。

Bコアの処理・地質観察

・採取したコアは、縦方向に半割にし、半分を分析用、残り半分を保存用とし、1m毎に区切られた5m分(ないし3m分)を収納コア箱に収めた。ただし、礫を主体とした部分については、半割にできない部分も生じた。

・コア箱には、調査件名・受託者名・地点名・孔番号・深度・スケール・上下方向等を記入した。

・コア箱に収めたコアは、色調見本・スケール等を添えて、カラー写真に撮影し、地質観察を行った。地質観察においては、以下の点に特に留意した。

@ 粒度およびその変化の状況(上細粒化、上方粗粒化等)

A 境界面の状況(シャープ、漸移等)

B 貝化石、腐植物ほかの混入物の有無と特徴

C 色調変化

D 礫種、円摩度

E 堆積構造(確認可能な場合)

F 火山灰層の有無、深度、特徴

・地質観察結果は、縮尺1/10の地質柱状図として記録した。この観察記録に、試料分析結果等をあわせて、縮尺1/50ないし1/100程度の地質柱状図を作成した。

C分析用試料採取

地質観察の結果をもとに、コアの半割のうちの分析用の部分から、地層の対比や断層活動の時代決定に有効と判断される試料を採取し、分析に供した。採取する試料の種類や処理方法は、トレンチでの試料採取と同様である。特に堆積環境の指標および14C年代測定用の試料となる貝化石に留意して採取した。

D測   量

ボーリング地点の地盤標高を三等水準測量程度の精度で測量した。また、周辺部も含めて横断測量を行い、地形断面図を作成した。

E作業終了後の処理

調査終了後は、孔内にセメントミルク等を注入して充填し、周辺部も含め原形に復旧した。復旧作業終了後、監督員の確認を得た上で、土地所有者から復旧完了の承認を得た。