・別府地溝南縁断層帯
断層帯を構成する各断層の最新活動時期は、同じではない。すなわち、府内断層では、2,300年BP頃、堀田−朝見川断層、由布院断層では、2,000年ないし1,600年BP以後である。その前の活動時期は府内断層のみでわかっており、5,600年BP頃と6,700年〜7,300年(K−Ah火山灰)BP頃である。また、府内断層では、K−Ah火山灰より前の活動は、約1万年前まで生じていないようである。
・別府地溝北縁断層帯
最新活動時期は、最も新しいものでは約2,000年BPより後であるが、古いものは、Aso−4火砕流堆積物(7万年〜9万年BP)以後活動していない。
・別府湾断層帯
少なくとも主要な活断層の、最新活動時期(100〜500年BP)とその前の活動の時期(2,100〜2,500年BP)は、概ね一致している。最新活動は、西暦1,596年の慶長豊後地震に対応していると判断される。
より前の活動としては、K−Ah火山灰以後、4,000年BP頃までの間に2〜3回の活動が推定されているが、年代や同時性についての詳細なデータは得られていない。
最も頻繁に活動している、別府地溝南縁断層帯と別府湾断層帯を比較すると、最新活動時期が異なっており、南縁断層帯のうち、堀田−朝見川断層と由布院断層については、対応する活動があった可能性は否定できないものの、少なくとも府内断層では、西暦1,596年の慶長豊後地震に対応するイベントは確認できていない。
一方、府内断層で2,300年BP頃と推定されているイベントは、海域の2,000〜2,500年BPのイベントと、ほぼ同時期であり、対応している可能性が考えられる。