(6)湯布院断層

倉木山火山の溶岩(75〜91万年BP)が250m以上、水口山火山の溶岩(20万年BP)が140m以上、共に北落ちに変位しており、由布岳の南および由布院盆地南縁に北傾斜の断層崖が連続している。断層前縁の北傾斜の扇状地面上に南落ちの変位地形や断層露頭がみられ、グラーベン構造を伴っていると判断される。

断層崖を開析して流下する沢沿いに形成された扇状地上の断層崖の位置で、2ヶ所のトレンチ調査を行った。トレンチ結果及びその周辺の地形・地質分布からみると、この断層はK−Ah火山灰以後に10m程度ないしそれ以上の北落ちの変位を生じた可能性がある。2,000年BP以後に少なくとも1回(以上)の活動イベントがあったと推定される。

すなわち、最新活動時期は、2,000年BP以後であり、活動間隔は1,000年〜2,000年オーダーと推定される。K−Ah火山灰の変位量が確定できないが、活動度はおそらくA級であろう。