7−1−1 調査地域北部の断層(鹿鳴越断層以北)

緩く北方に傾斜する古い火山山体(鹿鳴越火山)の斜面とその周辺の火山麓扇状地面の上の逆向き断層崖で特徴づけられる。風隙や谷の閉塞が各所にみられ、地形的には比較的明瞭である。

この地域の代表地点として、地形的に最も明瞭な唐木山断層でトレンチ調査を実施した。その結果、唐木山断層では、地形から想定される南落ちの断層運動は、少なくとも5〜6万年BP以後は生じていないと判断された。

このように、唐木山断層の調査結果をもとに考えると、この地域の他の断層の活動性は全体的に低いと判断される