(2)大分川左岸(舞鶴橋)測線

大分川左岸測線も府内城測線とほぼ同様の層相からなる(図5−2−3)が、以下の点で府内城測線と異なる。

・最上部3m程度は大分川の河川堤防の盛土からなる。

・A最上部泥層は、大分川沿いでは確認できていない。

・B上部砂礫層中にB−2層やB−5層のような厚い泥炭層は確認できない。

・B上部砂礫層中の下部には、府内城測線と同様に軽石の混入が確認できるが、軽石混入層と非混入層(安山岩礫混り層)との明確な区分はできない。

・C上部砂層の層厚は、断層落ち側でも最大で5m程度であり、府内城測線での厚さ(15〜16m)に比べて薄い。

・D−1層の中部泥層の上部ユニット中では、含まれるD−2層K−Ah火山灰層起源のガラス質火山灰の再堆積粒子の割合が非常に高い。

上記の点以外については、層相の特徴は、府内城側線とほぼ同様である。

また、推定される断層の上り側(bP孔)と落ち側(bQ孔)の間の各層厚の変化は、D−3層からD−2K−Ah火山灰層の上限まででは、大きな変化が見られないの対して、B上部砂礫層の層厚には、5m以上の差が生じている。この層厚変化は府内城側線での特徴と類似している。