(5)春日神社追加測線

春日神社追加測線は、春日神社測線より東に約200m離れた市道上に設けられた。春日神社測線と比較すると、測線を設けた道幅が狭かったものの、交差する交差点や通行する車両は少なかった。

図5−1−32に相互相関処理後のオリジナル波形例を起振点70m毎に示す。本測線にけるバイブレータの発震スイープは、20〜160Hzとした。図5−1−33にフィルター処理後波形例を示す。バンドパスフィルターでは25〜90Hzを通過周波数帯とし、AGCのオペレータ長は500msとした。図5−1−34にデコンボリューションパラメータテスト(オペレータ長を10,25,100msと変更)結果例、図5−1−35にはデコンボリューション処理結果例を示す。デコンボリューションのオペレータ長は25msとした。図5−1−33のスタック前の波形例は、春日神社測線の記録と同様に、測線距離の増加に伴い往復走時が短くなる顕著な反射波が見られる。この測線においても、顕著な反射波より下位に見られる反射波は顕著な反射波のマルチであると考えらる。理由は、春日測線と同じである。

図5−1−36には速度解析結果より求めた区間速度分布を示す。図5−1−37には速度解析結果よりCDP重合を行った結果である時間断面を示す。時間断面を観察すると、測線全体で北に緩く傾斜する反射波が顕著である。この反射波の往復走時は、北側で300ms程度、南側で200msとなっている。この反射波より上位の反射波はより高い角度で北に傾斜しており、測線個々の波群としては顕著であるが、連続性は良くない。これらの特徴や速度テーブルの特徴も春日神社測線と非常に近似している。図5−1−38には、マイグレーション後時間断面を示す。マイグレーションには、速度解析で求めた速度テーブルを用いた。

図5−1−39には、時間断面に深度変換を施した結果(深度断面)を示す。深度変換には、図5−1−36に示した速度テーブルを平滑化して用いた。